「通信と放送の融合」の一つの形態として,両サービスの連携が挙げられる。ワンセグは,通信と放送の両業界がタッグを組んで作り上げた連携システムである。連載の最終回となる本稿では,連携サービスの例を示して仕組みを解説する。 (田中 正晴=日経ニューメディア)

隅倉 正隆
放送・IT技術コンサルタント

 携帯電話機に搭載されているワンセグ・アプリケーションを起動すると,初めから上にテレビ映像,下にデータ放送コンテンツが表示される。このときに表示されるデータ放送コンテンツが「独立型データ放送」と呼ばれるもので,その放送局のポータル画面である。

 ニュース,天気予報,番組情報,占いなどが常に放送されており,視聴者にとって便利で役に立つ情報として提供されている。さらに,ワンセグの視聴者は,外出時などに暇つぶしでアクセスする場合や,家にいても深夜帯にパーソナルな見方をしている人が多い。マス向けの固定型テレビ視聴者とは異なり,パーソナルな情報,繰り返し見に来てもらえるポータル・サービスの提供が重要になる。