日経ものづくり 工場安全
第6回:リスクの評価とリスク低減方策

前田育男,関野芳雄,岡田和也
IDEC 規格安全ソリューションセンター

三つのステップでリスクを減らす

 前回は,図に示したリスクアセス メントのうちリスク分析(図の 手順1~3)について解説した1)。今回は, リスクの評価(手順4)とリスク低減方 策(手順5~7)を採り上げる。

手順4「リスクの評価」のポイント

 リスク分析によって機械に潜む危険 源の抽出やリスクレベルの把握を行っ た後は,それらが「受け入れ可能なリ スク」かどうかを判定する。この工程 が「リスクの評価」である。リスクの評 価において「受け入れ可能なリスク」 まで低減できている場合は,リスクア セスメントは終了する。

 一方,「受け入れ可能なリスク」まで 低減できていない場合は,後に示す手 順5~7に従って「リスク低減方策」を 施さなければならない。

 「受け入れ可能なリスク」まで低減 できているかどうかを判断する際には 表1に示した質問リストを参照する。こ れらの質問に対し,すべて「イエス」の 回答が得られた場合は,低減目標が達 成されたと判断できる。具体的には以 下のように進める。

日経ものづくり 幾何公差
図●国際安全規格におけるリスクアセスメントとリスク低減方策の手順
国際安全規格ではリスクアセスメントとリスク低減方策は明確に区別されており,それぞれ手順が定められている。リスクアセスメントのうち手順1~3の工程が「リスク分析」となる。ISO12100-1:2003を基に作成した。