日経ものづくり 見える化の極意

第6回:管理・間接部門の業務の見える化

小林 啓子
中部産業連盟 東京本部
東京コンサルティングセンター
主任コンサルタント

業務の効率化を図る決め手は
ファイリング・システムの確立

 今回は管理間接部門におけるファ インリング・システムの構築の 進め方について解説する。

担当者任せが最大の原因
 多くの企業の管理・間接部門の事 務所では,キャビネットの中には横積 み,平積みされた膨大なファイルが保 管され,キャビネットに入り切れない書 類は,担当者の机の上や下に山積みさ れている。しかも,担当者の机の引き 出しの中にも,業務で使用する書類が 当然のように保管されている。
 そこでは,そうしたファイリング方法 の問題により,次のような「探しのムダ」 「スペースのムダ」「経費のムダ」が恒 常的に発生している。

(1) 書類をどのファイルに保管すべきか が分からず,適当なファイルにとじてし まい,必要なときに探し出せない
(2) 同じ書類を何人もが持っており,コ ピーを取る時間と費用,ファイルする時 間,さらにはファイルスペースの点でム ダが発生している
(3) 背表紙が未記入,あるいは記入され ていても不適切なファイルが多く,必要 な書類がどこにあるのか一目で分から ず,探す時間のムダが発生している
(4) かなり古い書類が,廃棄してもよい のかどうか不明のまま保管され続けて おり,スペースのムダが発生している