日経ものづくり 詳報

中越沖地震に見舞われた地元企業
生きた3年前の教訓,操業への影響回避

日経ものづくり 速報

 2007年7月16日。3連休の最終 日に新潟県中越地方をマグニ チュード6.8の「新潟県中越沖地震」が 襲った。2004年10月の新潟県中越地 震に続き,わずか3年で2度の大地震に 見舞われた同地方では,水道やガスな どのライフラインが遮断するなどの大 きな被害を被り,震源近くのメーカーで は操業に影響も出た。

 その一方で,前回の地震の教訓を生 かして被害を最小限に食い止めた地 元企業も多い。電子部品製造装置など の開発/生産を手掛けるプロデュース もその1社だ(図)。

再び襲った大地震

 プロデュースは,新潟県長岡市に本 社と本社工場を,同県見附市に2006年 に新設したばかりの見附工場を持つ。 いずれも今回の地震の震源地から20 数km離れているとはいえ,震度5弱~ 5強の強い揺れに襲われた。

 「対策が功を奏して操業に影響する ような被害はなかった。前回の地震の ときとは従業員の意識も違い,各自が やるべきことを認識して自主的に動い てくれた」。こう語るのは,同社専務取 締役の井上義則氏である。

 2004年の新潟県中越地震の際には, 事務所や工場で物品が散乱したり,ガ ラスが割れたりするなどして復旧に人 手がかかり,1週間ほどの操業停止を 余儀なくされた1)。だが,今回の地震で は,被害の度合いは全く違っていた。