日経ものづくり 工場安全

第5回:リスク分析

前田育男,関野芳雄,岡田和也
IDEC 規格安全ソリューションセンター

潜在危険源の抽出とリスクの定量化がカギ

 ISO(JIS)規格には,設備や機械 の安全性を高めようとする際に 「リスクアセスメント」→「リスク低減方 策」という手順が存在することを前回 紹介した(図)。リスクアセスメント は四つの手順に分類されており,その うち前半の三つの手順が「リスク分析」 に当たる(図の手順1~3)。今回は,こ のリスク分析を詳しく説明する。

 リスク分析の要点は,対象の設備・ 機械をよく知ることと,重大危険源を 漏れなく洗い出すことである。具体的 には必要なリスクファクターを状況に 応じて選択し定量化することといえる。 以下,手順1~3の要点を挙げていく。


図●国際安全規格におけるリスクアセスメントとリスク低減方策の手順
国際安全規格ではリスクアセスメントとリスク低減方策は明確に区別されており,それぞれ手順が定められている。リスクアセスメントのうち手順1~3の工程が「リスク分析」となる。ISO12100-1:2003を基に作成した。