日経ものづくり 特報

 「製品開発効率化」と「品質向上」。この二つの両立にリコーは動き始めた。カギを握るのは,CAEの積極的な活用による試作回数の低減だ。

 試作の回数を減らすことで製品開発プロセスを効率化するという考え方は分かるが,それで品質を高めるというのは矛盾しているのではないか ―。だが,同社代表取締役で社長執行役員の近藤史朗氏は「試作品を作らない方がはるかに精度の高いことができる」と主張する。

 ただし,単に“これまで以上にCAEを積極的に活用する”だけではない。開発プロセスそのものを革新しようとしている。