日経オートモーティブ 連載

最新センサ詳解 第4回

レーダで障害物検知
小型・低コスト化が進む

自動車の快適性や衝突安全性を高める先進装備の一つが、ミリ波レーダ だ。先行車までの距離や相対速度、水平位置などを検出できる。先行車 追従機能やプリクラッシュ・セーフティ・システムの高機能化や搭載車種 の拡大に向けて、小型化・低コスト化・性能強化が進む。

ホンダエレシス
開発本部開発2部 主幹
佐藤正己


 自動車業界において1990年代後半 は、ミリ波レーダの開発が本格化した 時期だ。ホンダエレシスは2002年に国 内で初めてミリ波レーダを量産化し た。ホンダが2002年10月に発売した 「アコード」で採用したもので、先行車 追従機能「ACC」(Adaptive Cruise Control) を提供した。
 レーダには光を使うレーザレーダと 電波を使うミリ波レーダがある。ミリ 波レーダは一般的に悪天候(雨、霧、 雪)に強いことから、現状では多くの 自動車メーカーがミリ波レーダを採用 している。ミリ波レーダの応用分野 は、当初はACCに限られていたが、 2002年ころに衝突時の被害を軽減する プリクラッシュ・セーフティ・システ ムにも広がった。今後も、高機能化が 進むとともに、さらに小型化し、低コ スト化する流れにある。

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第1世代のミリ波レーダ
パラボラアンテナを採用していたことから、第2世代よりも本体は大き かった。