日経オートモーティブ Market Watching

アクティブセーフティで勝負する日本車
2012年までの年平均成長率は62.9%の見込み

 「アクティブセーフティ(予防安全) システムは、海外の自動車メーカーに 対する日本車メーカーの勝負球にな る」─。矢野経済研究所は、国内の カーエレクトロニクス装置についてま とめた調査レポート「2007 ~08年版 カーエレクトロニクス装置の市場実態 と中期展望」の中で、このような予測 を明らかにした。
 日本の自動車メーカーの2006年の海 外生産はおよそ1100万台で、国内生産 の1148万台に匹敵するまでになった。 今後は、北米や東欧、ロシア、中国で の現地生産も拡大する流れにある。ま た、インド市場の形成も目覚しい。「日 本の自動車メーカーの海外生産が1500 万台になるのは時間の問題」とレポー トは報告している。

世界各地に進出する日本車
 日本メーカーが海外での現地生産を 強化している中、現地メーカーとの競 争に打ち勝つためには海外でも国内と 同品質の自動車を生産する必要があ る。カーエレクトロニクスの装置も世 界で同一のものが求められるという。
 トヨタ自動車が2006年9月に発売し た「レクサスLS460」は、ステレオカメ ラとミリ波レーダを組み合わせた世界 初のプリクラッシュ・セーフティ・シ ステムを採用した。今後このような予 防安全機能をはじめとしたアクティブ セーフティシステムは世界の各地域で 生産される日本車に搭載される可能性 が高い。
 軽自動車にもアクティブセーフティ の搭載は始まっている。ダイハツ工業 は新型「ムーヴ」でカメラとレーダを組 み合わせた軽自動車初のプリクラッシ ュ・セーフティ・システムを実用化し た。今後、BRICs諸国を始めとした新 興市場の小型車も「ダイハツに負けら れない」とばかりにアクティブセーフ ティ採用に動く可能性がある。

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図●カーエレクトロニクス装置の生産台数の予測(国内)
アクティブセーフティの2001年~2012年までの年平均成長率は62.9%と高い。(出典:矢野経済研究所)