日経ものづくり メソッド

最終回:詳細計算法と応用事例

中沢 弘
中沢塾 代表

手間はかかるが高精度
水準以外の最適解を算出可能

 前回簡易計算法を紹介したが,簡易計算法と組み合わせてより正確な値を求めるための詳細計算法を紹介する。中沢メソッドは何回も述べてきた通り,レクサットという概念を導入することで,性能値の確保と同時にバラつきも最適化できる方法である。その意味で中沢メソッドによって決められた最適値は,性能だけではなくロバスト性の点でも最適である。

水準の範囲を分割

 簡易計算法では,設計パラメータごとに導かれるレクサット曲線(対象とする設計パラメータによって対象とする評価項目のレクサットがどう変化するかを表した曲線)を求めるのに,あらかじめ設定された水準のみを用いていた。対象とする設計パラメータが所定の水準を取った場合のレクサットの値を水準ごとに計算し,設計パラメータの値を横軸,レクサットの値を縦軸として打点。それらの点を滑らかにつなぐことで各評価項目に対するレクサット曲線を求めていた。総合レクサット曲線は,評価項目ごとに求めたそれらの曲線を重ね合わせることで導き出された。(以下,「日経ものづくり」2007年7月号に掲載