日経ものづくり 工場安全

第4回:リスクアセスメントの手順と導入準備

前田育男,関野芳雄,岡田和也
IDEC 規格安全ソリューションセンター

重大リスクの見落としを確実に防ぐ

 今回からは,リスクアセスメントの実践的な進め方を説明していく。具体的には「リスクアセスメントの手順」「これまで行われてきた安全活動との相違点」「リスクアセスメントの導入準備」といったポイントを取り上げる。

海外でも通用する考え方

 リスクアセスメントは,国際安全規格で「リスク分析とリスク評価の両方を含むすべてのプロセス」( ISO12100-1,ISO14121,ISO/IEC Guide 51)と定義されている。

 リスク低減方策は,リスクアセスメントと対で実施されるもので,リスクアセスメントの結果,「許容できない」と判断されたリスクを「許容できる」レベルに下げる試みである。

 国際安全規格では,この二つは明確に区別されている(図)。だが,国内の「機械の包括的な安全基準に関する指針」(厚生労働省通達)では,リスク低減方策がリスクアセスメントの中に含まれており,これらをまとめて「リスクアセスメント」としているようだ。(以下,「日経ものづくり」2007年7月号に掲載

日経ものづくり 幾何公差
図●国際安全規格におけるリスクアセスメントとリスク低減方策の手順
国際安全規格(ISO)では,リスクアセスメントとリスク低減方策は明確に区別されており,それぞれ手順が定められている。ISO12100-1:2003を基に作成した。