日経ものづくり 見える化の極意

第4回:管理・間接部門の物の見える化(1)

小林 啓子
中部産業連盟 東京本部
東京コンサルティングセンター
主任コンサルタント

製造現場以外でも有効な本格5S
時間/スペース/経費を節約

 今回より2回にわたり「管理・間接部門の物の見える化を実現する5Sの進め方」について取り上げる。今回は「管理・間接部門の物の見える化」のための5S(整理,整頓,清掃,清潔,しつけ)の必要性と5Sの具体的な進め方,次回はそうした5Sの管理基準,運用基準について解説する。

物探しが残業の一因

 管理・間接部門は,企業収益への貢献度が測定しにくく,また新規取引契約時や新製品受注の決定に際して,顧客は製造現場を視察することはあっても,事務所を視察することはない。そのために,外からの刺激もなく,管理・間接部門の事務所および業務の管理のやり方については何も改善されず無法地帯になってしまっている。

 物を造る職場が製造現場であれば,管理・間接部門の事務所は「良い物を安く造りやすくするための事務現場」といえる。製造現場では,物の流れによって生産状況の良しあし,問題点が見える。しかし,管理・間接部門の事務所では置かれている物や書類を見ても,仕事が順調に進んでいるのか,問題が発生しているのか,何も分からない。管理・間接部門に置かれた物や書類を見ただけで業務内容,管理状態が分かるようにすることが必要だ。(以下,「日経ものづくり」2007年7月号に掲載