日経ものづくり 事故

松下電器産業が大規模リコール
対象機種広げてリスクを最小に

対象台数は300万台以上―。2007年5月30日,松下電器産業は電子レンジなど3品目に関して大規模な無償部品交換(リコール)を実施すると発表した。一部製品で発煙・発火に至る危険性が高いと判断したためだ。石油温風機の欠陥による一酸化炭素(CO)中毒事故の多発が表面化してから,同社は過去の製品事故をより厳しい基準で再検証していた。

 「事故防止のための『社告』実施について」と題する文書が松下電器産業から公表されたのは,2007年5月30日のこと。白物家電を担当する社内分社の松下ホームアプライアンス社が会見を開き,電子レンジ/冷蔵庫/衣類乾燥機のリコールを発表した。
 リコールの対象台数は,電子レンジが193万1740台,冷蔵庫が30万3487台,衣類乾燥機が82万1578台(三菱電機へのOEM供給分を含む)。計305万6805台と膨大な数に上る。
 リコール実施日は翌31日。ところが,くしくもその日,リコール対象機種の冷蔵庫で火災事故が発生する。圧縮機周辺のリード線が焼損し,製品背面の壁がすすけた。被害状況から推定された事故原因は,それまで発生した事故のそれとほぼ同じだ。松下電器産業は,いつ発火してもおかしくない300万台以上の製品を早急に探し出さなければならなくなった。(以下,「日経ものづくり」2007年7月号に掲載

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