第1部<次なる主戦場>
市場拡大の機運受け
水面下で進む開発競争

 世界のエレクトロニクス・メーカーが家庭における健康管理・予防医療に触手を伸ばしている。世界各国で進む高齢化や医療費高騰を背景に病気を未然に防ぐ「先取り」の仕組みの構築に注目が集まっているからだ。これから本格的に拡大する市場に向けて早くも水面下で開発競争や連携の話が進んでいる。

第2部<主役の姿>
期待集まるケータイの役割
測定から管理まで

 エレクトロニクス・メーカーだけでなく医療関係者からも携帯電話機の活用に対する期待が集まっている。健康管理・予防医療の可能性を大きく広げることになるからだ。携帯電話機が測定機能を備えれば,自分の健康状態をいつでも測れるようになる。そして,測定データの送信やアドバイスなどの受信がどこでも可能になる。つながる健康機器のゲートウエイとしての役割も期待されている。

第3部<ダウンサイジングの波>
家庭に入る新たな機器
病院の機能をより身近に

 既存の健康機器が互いに「つながる」ようになることでこれまでとは違う健康情報も知りたいというニーズが高まる。病院で医師などが使ってきた装置を改良して従来は家庭で測れなかった健康情報を個人が簡単に測定できる機器が続々登場しそうだ。いずれ,こうした新型の健康機器も「つながる」ようになれば健康管理の基となる情報に一層の厚みが増すことになる。