石野 雅彦
三菱UFJ証券
シニア・アナリスト

 韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.の2007年1~3月期(第1四半期)の営業利益は,前年同期比26.7%減の1兆1830億ウォンと5四半期連続で減益となった。売上高営業利益率も8.2%と,四半期ベースで2001年第4四半期以降,5年ぶりに10%を下回っている。

 過去には,韓国経済危機後の1997年に売上高営業利益率が9.6%,ITバブル崩壊後の2001年に7.1%と低迷したことがあった。今回の減速により同社経営陣の危機感が再び高まっている。売上高営業利益率が2004年第1四半期には27.8%にも達し,エレクトロニクス業界で圧倒的な競争力を誇った同社に,今何が起きているのか。