移動装備は電源を搭載し,電気エネルギーを自前で用意しなければならない。電源は,移動装備の外形寸法や稼働時間,寿命,安全性などあらゆる特徴を左右する。連載第2回は,現在注目されているLiイオン2次電池電気2重層キャパシタ燃料電池などを取り上げ,動作原理や特徴を解説する。(大久保 聡=本誌)

廣田 幸嗣
カルソニックカンセイ 開発本部 テクノロジーオフィサ
内山 誠
日産自動車総合研究所 エキスパートリーダ

 固定設備では定格電流と力率が電源設計のほぼすべてといえるが,移動装備では自前で電気エネルギーを用意する必要がある。その場合,内燃機関や燃料電池でエネルギーを生成するか,蓄電デバイスにエネルギーを貯蔵するか,両者を組み合わせるか,のいずれかになる。移動装備向け電源は固定設備向け電源ほど安定しておらず,エネルギー密度やパワー密度が限られる。