デンソー |
第1回 オルタネータ |
高出力化で220Aに対応 |
エアコンの標準化、EPS(電動パワ
ーステアリング)の採用、HDDカーナ
ビゲーションシステムの搭載と、現代
の自動車では電装品による消費電力が
うなぎ登りだ。当然、電力供給を一手
に引き受けているオルタネータの重要
性も増している。
一方で、クラッシャブルゾーンの確
保や補機類の増加で、エンジンルーム
内の場所取り合戦も厳しくなってお
り、オルタネータも小型・軽量化と高
出力化を両立させる必要がある。この
ため、W/kg という単位質量当たりの
発電量が開発指標になっている。
オルタネータはロータコイルへの励
磁電流を変化させることで発電量を調
節することができる。また、発電機能
に加えて、電圧調整用レギュレータも
内蔵している。
最高回転数2万rpmに対応
オルタネータは半導体素子の開発や
電圧向上などの大きな進歩とともに、
生産技術の改良で進化してきた。
1960年代初頭、車載ダイオードの開発
によってオルタネータの歴史が始まっ
た。それまでダイナモによって直流発
電していたのが、オルタネータで交流
発電したものを直流へと整流できるよ
うになった。この結果、出力電圧が向
上し、バッテリの電圧も6V から12V
へ高まって、小型・軽量化が加速した。
1980年代前半には、エアコン、電子
制御式燃料噴射装置など、電気的な負
荷が大きい部品が増えたため、オルタ
ネータも70A 程度まで出力を高めた。
技術的には、ロータ側の軸受の幅を狭
めることで駆動抵抗を低減し、より高
回転に対応した。