本講座では民間検定の「知的財産検定2級」水準の問題を解きながら,技術者向けに知的財産の常識を解説する。第3回の今回は,特許の「活用」について取り上げる。ライセンス契約をするときの判断だけではなく,特許侵害の警告状を他社から受け取った際にも正しい「活用」の知識が必要になる。(木村 雅秀=本誌)

斉藤 達也
片寄・斉藤特許事務所(虎ノ門オフィス)代表
弁理士

 今回は知的創造サイクルにおける特許の「活用」ステージについて説明する。特許の活用における最大の目的は,特許権を源泉として経済的な利益を得ることである。その代表的な戦略としては,特許権を保有する企業が単独で「市場独占」を目指す場合と,特許発明を他社へ「ライセンス(実施許諾)」する場合がある。