日経オートモーティブ 新車レポート

三菱自動車「デリカD:5」
環状構造で車体を強化 樹脂製フェンダーを採用

 三菱自動車は2007年1月に8人乗りミニバン「デリカD:5」(ディーファイブ)を発売した(図)。先代の「デリカスペースギア」から13年ぶりの全面改良となる。デリカの5代目となることから名称をD:5とした。

 デリカD:5の開発テーマは「ミニバンの優しさ」と「SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の力強さ」を融合すること。デリカは初代「スターワゴン」の時代から、オフロードでの走行性能を重視してきたが、新型車もこの伝統を踏襲している。
 走行性能を高めるために、全車種を4輪駆動車としたほか、「ASC(横滑り防止装置)」を標準装備した。プラットフォームはSUVの「アウトランダー」と共通化しながらも、フロア形状の違いなどから、エンジンルームを除いて車体部品のほとんどを新たに設計している。
 車体構造では、ねじれ剛性や曲げ剛性を高めるために環状骨格構造「リブボーンフレーム」を採用したのが特徴だ。これはフロントピラー、センターピラー、リアピラー、そしてリアゲート開口部のところで、車体をぐるりと取り囲むように閉断面構造を取り入れたもの。

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図●「デリカD:5」
新たにSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の要素を取り入れた。ワンボックスミニバンとしての車内空間の広さとSUVのデザインの両方を組み合わせた。