日経オートモーティブ Market Watching

俊敏性を訴える新型「Cクラス」
上級小型セダンでの世界標準狙う

 米国上級小型セダンのマーケットでは、DaimlerChrysler社のMercedes-Benz「Cクラス」、ドイツBMW社の「3シリーズ」、トヨタ自動車の「Lexus IS」、日産自動車の「Infiniti G35 sedan」がしのぎを削る。
 2006年の販売状況を見るとレクサスISが前年比243.7%増と、大きく販売台数を伸ばす一方、Cクラスは17.3%のマイナスだった。その他の車種は2006年末までに全面改良を終えたのに対し、Cクラスだけは未改良であることが影響した格好だ。
 このCクラスの新モデルが3月6日から開催されたジュネーブ・モーターショーで世界初公開された。発表会場で担当者から商品説明を受けると、アジリティ(俊敏性)という単語が頻繁に聞かれた。アジリティとは「車全体に上質なスポーティー性があり、乗り心地の良さと鋭いハンドリングを両立している」(担当者)ことを指す。
 これは3シリーズへの明確な対抗意識の表れでもある。「190E」として誕生したMercedes-Benzの小型車は、“手軽な高級車”を急速に広めた。しかし、今や主役は3シリーズに移りつつあり、さらにドイツAudi社の「A4」もイメージアップを図っている。

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全面改良した「Cクラス」