日経ものづくり 事故

留守宅の電気コンロが勝手に起動
犯人はコンセントから侵入

2006年5月,福井県にある単身者向け賃貸マンションの一室で,火災報知器の警報が響き渡った。通報を受けて駆け付けた消防隊員が,窓ガラスを割って部屋に入ったところ,留守中の部屋の電気コンロ上から火の手が上がっているのを発見。すぐに消火に当たったため,幸い電気コンロの周囲を焦がしただけのボヤで済んだ。

 燃えていたのは,電気コンロの上にあった水切りかごと中の食器類だった(図)。水切りかごは溶融し,中にあったはしやわんは焼け,コンロ前面の操作パネルも焼損していた。
 出火の37時間前から住人は外出し,火災発生時には部屋は無人だった。その住人によれば,外出前に洗った食器や食器かごを電気コンロの上に置いて出たが,電気コンロの電源は切れていることを確認したという。
 ところが,現場に到着した消防隊員は,電気コンロの高温注意ランプ(温度上昇を警告するためのもの)が点灯していたのを目撃している。このことから,何らかの原因で電気コンロのスイッチが入っていたと考えられた。

日経ものづくり 事故
図●火災が発生したキッチン
単身者用の狭いキッチンに電気コンロが据え付けらてれいた。コンロの上の水切りかごや食器類が燃えたが,キッチンを焦がした程度で済んだ。