論理LSI業界に地殻変動が起きている。国内外の大手半導体メーカーが雪崩を打ったように,最先端の論理LSI向けプロセス技術の自社開発と量産から手を引き始めた。

 とりわけ多くの関係者に衝撃を与えたのが,ソニーが2007年2月中旬に打ち出した方針転換である。「今後は半導体の設備投資を大幅に削減する。45nm世代以降の論理LSIでは,プロセス技術の開発と量産を外部委託することを検討する」(ソニー 執行役副社長の中川裕氏)。同社はここ数年,世界でも指折りの大投資を論理LSI向けに敢行してきた。同社の半導体設備投資額は2004~2006年度の3年間で約4600億円。このうち,約2000億円を,「プレイステーション 3(PS3)」用のマイクロプロセサ「Cell」やグラフィックスLSI「RSX」など最先端の論理LSI向けに投じてきた。この方針を転換し,半導体製造の自前主義から脱却を図ろうというのだ。

<Interview>
プロセス技術で頑張っても最終製品は強くならない

中川 裕氏
ソニー 執行役副社長
セミコンダクタ&コンポーネントグループ