日経ものづくり 詳報

Siemens,UGSを35億米ドルで買収
目的に首を傾ける業界関係者も

本命はTecnomatixのツール群か

 2007年1月,独Siemens Automation &Drives(Siemens A&D)社は,PLMベンダーの米UGS社を35億米ドルで買収すると発表した。Siemens A&D社は,製造業やプロセス産業向けに,PLCやモーションドライブなどのオートメーション機器,生産設備を供給している。UGS社の買収で,工場の設備シミュレーション・システムや製品開発システムを供給できるようになる。
 発表によると,買収の目的は,Siemens A&D社が持つ製造分野のノウハウと,UGSの持つPLMソリューションとを合わせることで「デジタル・ファクトリーを完全に構成し,顧客に供給できる最初の企業になる」(Siemens A&D社)こと。
 ただし,複数の業界関係者によると「Siemens A&D社が欲しいのは既存事業と分野の近いTecnomatixの生産設備シミュレーション・ツールではないか」とのこと。具体的には,Siemens A&D社のオートメーション機器や生産設備と,UGS社が2005年に買収したイスラエルTecnomatix Technologies社のツール群を融合させて,システム提案力を強化するのが狙いと考えられる(図)。

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図●UGSのTecnomatix製品
買収の狙いは,工場やプラントなど生産設備をシミュレーションするTecnomatixのツールと,Siemens A&D社のノウハウの融合させて,デジタル・ファクトリーのソリューションを提供することにあると見られる。