「ゲームを終えられない」「電源を切れない」「付属品の置き場所が分からない」「文字を消せない」「ディスクを入れる向きが分からない」――これらは,ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション 3」(PS3)と任天堂の「Wii」を初めて使った人たちがぶつかった壁である。本誌はPS3とWiiの実機を購入し,5人の想定ユーザーに利用してもらって,それぞれのユーザー・インタフェースの使いにくい部分を洗い出した。ユーザー・インタフェースの評価や設計を手掛けるU’eyes Design(本社:東京都渋谷区)と協力して実施した。

 その結果,浮き彫りになったのがこれらの点である。いずれも説明書をよく読んだり,詳しい人に聞いたりすれば解決できる小さな問題だ。ユーザーが慣れてしまえば済む,と見る向きもあるだろう。しかし,実験に参加した被験者の様子を見る限り,こうした難点が製品の印象を損ねることは確かである。特に初心者の場合,操作上の「ハードル」の高さに尻込みして,製品の本来の機能にたどり着く前に利用をやめてしまいかねない。製品の魅力を高める上で,これらのハードルをなるべく減らした方がいいのは間違いない。