第1部<端末>
差異化を目指し
端末の薄さに集まる注目

 「次々に新機能が入ってきたここ1~2年は,筐体の厚さを保つのが精いっぱいだった」と携帯電話事業者や端末メーカーは口をそろえる。この状況が,一変し始めた。カメラの多画素化,FeliCa機能,ワンセグ対応など端末の多機能化は一気に加速し,既に機能は「載ってて当然」になりつつある。この結果,端末の差異化を目指し,薄型がカギになってきた。カメラや音楽視聴といった標準的な機能を備えた品種ではワンセグ・ケータイといった機能全部入りの端末以上に激しい薄型化競争が始まった。

第2部<液晶パネル>
大型化で薄さの要望が急増
目指すは2008年に「1円玉」

 ワンセグ視聴が当たり前になってきた最近の携帯電話機。これに伴い,搭載する液晶パネルの大型化が進んでおり,今や,3型前後も珍しくなくなった。この実装面積が大きい部品が少しでも薄くなれば,端末の薄型化に向けた効果は絶大だ。そのため,液晶パネルの薄型化に対する端末メーカーの要求は増大している。この要求に応えるべく,液晶パネル・メーカーやバックライト・メーカーは,「2008年に1mm以下」と1円玉の厚さを目指して開発を進める。

第3部<機構部品/基板>
目立つ所を引っ込め
追い求める厚さ2mm以下

 携帯電話機向け主要部品の多くは薄く,小さくなったかに見える。ただし,他の部品に比べて大きさが目立ち,端末設計者の頭を悩ますものがある。例えば,カメラ,振動モータ,スピーカー,ヒンジといった機構部品だ。こうした部品を手掛けるメーカーは小型/薄型化がシェアを左右するとみて,さらなる小型化に懸命に取り組む。ぎゅうぎゅうに部品を詰め込んだプリント基板にも変革の波が押し寄せている。受動部品だけでなく,LSIをプリント基板に内蔵する技術が必要不可欠になりそうだ。