日経オートモーティブ 解説

車載レーダの低コスト化が急速に進んでいる。これまで高価格だったミリ波レーダが、2008年にはレーザレーダ並みにコストが下がるとの見方も出てきた。自動車メーカーは、レーダの低価格化を受けてコンパクトカーや軽自動車にまでレーダの搭載を広げる。レーダの普及に向けて、低コスト化競争が本格化してきた。

 これまで“高コスト”というイメージの強かったミリ波レーダが、2008年までに大幅に低コスト化する可能性が出てきた。ミリ波レーダとレーザレーダの両方を実用化しているデンソーは「レーザも下がっているが、ミリ波の下げ幅の方が大きい。2008年にはミリ波がレーザに追いつく」(同社走行安全技術1部部長二之夕裕氏)と大胆な予測を披露する。
 最大の要因は、これまで上級車に限られていたレーダの搭載車種が、コンパクトカーや軽自動車にまで拡大し、低コスト化を求める声が強まっていることだ。自動車メーカーは、レーダ搭載車種を普及車にまで広げ、増え続ける自動車事故件数を低減し、運転支援機能を普及させたいと考えている。
 つい3年前の2003年から2004年ごろは、レーダは上級車種向け装備であり、中でもミリ波レーダは、レーザレーダに比べると「性能は良いがコストが高い」というのが業界の共通認識だった。しかし、普及車種へのレーダ搭載が進むにつれて自動車メーカーから「ミリ波レーダのコストを、レーザレーダ並みに抑えるよう要求されるようになってきた」(大手ミリ波レーダメーカー)という。

日経オートモーティブ 解説
図●トヨタ自動車「カローラアクシオ」(2006年10月発売)
コンパクトカーにもレーダを設定して安全性向上を狙う。プリクラッシュ・セーフティ・システムと先行車追従機能に対応する。