日経オートモーティブ 新車レポート

トヨタ自動車「オーリス」
3ナンバーサイズ採用で
欧州車としての存在感を出す

「オーリス」は欧州市場を意識して設計した新型ハッチバック車(図)。 個性的なデザインと走行性能の向上で、こだわりのあるユーザー層を狙う。 カローラブランドとは異なるプラットフォームを採用し、独自性を強く打ち出す。 発売1カ月で目標の3倍の9000台を受注。2007年春には主戦場の欧州でも販売する。

 トヨタ自動車が2006年10月に発売した「オーリス」は、ハッチバック「カローラランクス/アレックス」の後継車種。カローラブランドを外し、3ナンバーのボディとすることで欧州でも通用するクルマを目指す。
 デザイン面では、存在感のあるスタイルとするために、高めの全高と広い全幅を採用した。全幅は1700mmを大幅に超える3ナンバーサイズに拡大したことで、ロールを抑え車両の安定性が向上する。従来よりも幅の広いタイヤやトレッドを拡大したサスペンション、大型のシートを搭載することが可能となった。「これまでは5ナンバーサイズに収まるように部品を選んでいたため、室内空間だけでなく性能面でも制約が大きかった」(商品開発本部チーフエンジニアの金森善彦氏)。

「Golf」に対抗
 走りでは、剛性を高めた新開発プラットフォームを採用したほか、ステアリングの応答性を高めた。また、カローラで採用したばかりの排気量1.8Lの新エンジンやCVT(無段変速機)も搭載した。
 オーリスの国内での1番の競合車種は、日産自動車「ティーダ」で、マツダ「アクセラ」が続く。欧州車ではドイツVolkswagen社「Golf」に勝負をかける。このほか、フランスPeugeot社の「307」、米Ford社「Focus」、フランスRenault社「Megane」、ドイツOpel社「Astra」など競合車種は多い。

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図●トヨタ自動車のコンパクトハッチバック「オーリス」
ハッチバック「カローラランクス/アレックス」後継。名称からカローラを省くことで、カローラでは取り込めていなかった若いユーザー層を狙う。