日経オートモーティブ 新車レポート

トヨタ自動車
「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」

新開発のエンジンとCVT
バックモニタを標準装備

セダンは、バックガイドモニタなど先進装備を充実させてユーザーの使い勝手を向上した。 ワゴンは実用性を重視して、1回のレバー操作で後部座席を畳み込める機構を採用。 プラットフォームは流用だが、新開発のエンジンとCVTを用意したほか、いち早く歩行者脚部保護にも対応。 発売1カ月で目標の2.5倍の約3万台を受注して好調なスタートを切った。

 トヨタ自動車は2006年10月、「カローラ」のセダンとワゴンを全面改良した(図)。
 セダンは、上級車向けの先進装備を搭載すると共に、名称を従来の「カローラ」から「カローラアクシオ」に変更して、新しさをアピールした。一方のワゴンは、実用性を重視するユーザーが多いことから、レバー操作で簡単に後部座席を折り畳む機能を採用した。名称は従来通り「カローラフィールダー」だ。
 いずれも5ナンバーサイズを維持して国内専用車として開発した。エンジンは、直列4気筒の排気量1.5L「1NZ-FE」と同1.8L「2ZR-FE」で、変速機はCVT(無段変速機)と5速手動変速機を組み合わせる。1.8LエンジンとCVTは新開発だ。

ワゴンから開発
 ボディサイズは、セダンとワゴン共に従来通り、全長4410×全幅1695mmでホイールベースは2600mmだ。ただし全高は、セダンが1460mmでワゴンが1510mm、従来よりもそれぞれ10mm下がり、低重心化を図った。
 プラットフォームは先代の「MC」を流用し、これまでとは逆にワゴンを開発してから、セダンを開発する手法を採用した。ワゴンを先に開発したのは「剛性確保や衝突安全性はワゴンの方がセダンより難しいため」(同社商品企画本部チーフエンジニアの藤田博也氏)という。アッパーボディの設計とワゴンの生産は関東自動車が担当した。一方でセダンの生産はセントラル自動車が担当する。
 セダンのカローラアクシオ(以下アクシオ)の最大の特徴は、先進機能を多く採用したことだ。

日経オートモーティブ 新車レポート
図●10代目「カローラ」
セダン「カローラアクシオ」(左)とワゴン「カローラフィールダー」。