日経ものづくり 詳報

表記方法の統一と適用方法の両面で
具体化する3次元図面の活用

国際規格に先行してユーザーグループでの取り組みが進む

 3次元モデルをベースとした設計情報の伝達手段である3次元図面。国際規格の制定も進む中,自動車業界や3次元CADのユーザー会などでの取り組みが具体性を増してきた1)。標準化の動向を見定めつつ,より良い設計情報の伝達手段を見つけ出し,実際に使い出そうという機運が高まってきたといえそうだ。

2007年度に国際規格発行か
 3次元図面の活用に関する取り組みは,表示・運用方法に関するガイドラインや標準の作成活動に見て取れる(図)。国際標準化機構(ISO)による国際規格化を視野に入れつつ,業界団体や3次元CADのユーザー会がさまざまな成果物を発行している。
 3次元図面に関する国際規格として発行されそうなのは「ISO/FDIS 16792(Technical product documentation―Digital product definititon data practices)」と呼ばれる規格。1998年から検討が始まり,現在はFDIS(最終国際規格案)となっている。
 FDISとしての投票は2005年に実施されており,通常であればIS(国際規格)として発行されていておかしくない時期。しかし,FDISの投票時に各国から修正要求(コメント)が出されており,それらへの対応が進まずにISとしては未だ発行されていない*1。

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図●3次元図面の活用に向けた取り組み
国際標準化機構(ISO)における規格化,業界団体やCADユーザー会などでの取り組みが互いに連携しながら進んでいる。