インターネット経由でダウンロードした映画やドラマなどの映像を,不正コピー防止技術「CSS(content scramble system)」で暗号化してDVD-Rディスクに保存できる配信サービスが,2007年に米国で登場する。従来の映像配信サービスは,携帯型プレーヤーにデータを転送できるものもあるが,通常はパソコンで再生する。新サービスはDVD-Videoに使われている業界標準のCSSを利用するため,既に広く普及しているDVDプレーヤーで再生できる。つまり,購入した映像をリビングのテレビで気楽に楽しめる。

 登場の背景には,CSSをライセンスする米DVD CCA(Copy Control Association)の決断がある。DVD CCAは2006年8月に,ダウンロードした映像コンテンツをCSSで暗号化してDVD-Rに保存することを許可する,と発表した。音楽配信とは異なり,これまで映像配信ではDVDディスクへの記録が認められていなかったが,著作権保護に最も厳しいハリウッドの映画会社が方針を変えたのである。