日本のエレクトロニクス産業復活を牽引してきたテレビ。さらに成長させていくために日本の家電メーカーが今,本腰を入れて取り組んでいるテーマは大きく三つある。(1)綺麗になった映像をより美しく,(2)パネル製造技術の革新,(3)急成長を遂げるネットへの取り組み,である。

テレビ
55型SEDの映像に沸く 液晶/PDPは「4K×2K」を目指す

 電機メーカーの「顔」であるテレビ関連の展示は,各社とも例年以上に力が入っていた。特に,テレビの画質を左右するパネルについては,例年通り多くの耳目が集まった。これに加え今回は,テレビをブロードバンド対応端末に脱皮させようという,国内の大手テレビ・メーカーらの共同プロジェクトであるポータル・サービスの取り組みも話題となった。

HDTV記録再生機器
次世代DVDがついに離陸 ビデオ・カメラはAVCHD対応が焦点に

 CEATEC JAPAN 2006では,HDTV映像を記録・再生する次世代光ディスク機器やHDTVビデオ・カメラの試作機を,各社がそろえてみせた。その多くは実動品である。今まで特定のメーカーが占有していたこれらの市場に,他の主要家電メーカーが続々と参入しつつある様子がうかがえた。

携帯電話/通信
ケータイはさらに薄く小さく UWBとPLCに規制緩和の追い風

 携帯電話機をはじめとする携帯機器を差異化する一つの要素となるのが薄型化である。今回のCEATECでは,こうした薄型化の流れを強力に後押しする部品が登場した。厚みが1mmを切る,0.99mmと薄い液晶パネルである。

センサ/ユーザー・インタフェース
Cellで人物姿勢を画像認識 3軸加速度センサへの参入も続々

 今回のCEATECでは,画像認識技術を利用したユーザー・インタフェースの実演や,携帯電話機およびゲーム機での採用によって注目が集まりつつある加速度センサなど,現在の家電で主流のボタンやスイッチだけでない,新たなユーザー・インタフェースの胎動を感じさせる展示が多く見られた。

クルマ
立体表示や信号状態の監視など 娯楽性高めたカーナビやロボットが登場

 好調なカー・エレクトロニクス市場を背景に,今回のCEATECでは例年以上に車載機器/部品が数多く見受けられた。娯楽性を高める,小型化を追求する,性能をさらに高める,といったことを狙う展示がめじろ押しだった。

電池・電源
参入相次ぐ蓄電デバイス 高出力用途に商機を見いだす

 会場でひときわ来場者を集めていた,村田製作所の自転車をこぐロボット「ムラタセイサク君」。2005年のCEATECで初登場したが,今回は坂道やS字状の平均台上での走行が可能となったほか,後退しながらの車庫入れや,携帯電話機による遠隔操作,音楽再生などの機能を付け加えた。このムラタセイサク君で注目すべきは,電源に自社製のラミネート型Liイオン2次電池を搭載したこと。ブースでは同電池をアピールすべく,昇降機を使った実演も見せた。