日経オートモーティブ Market Watching

小型SUV市場が米国で拡大基調に
先行する日系メーカー、出遅れるビッグ3

 ロサンゼルスで7月に発売されたばかりのホンダ「Acura RDX」に試乗した。同社として久しぶりのターボエンジン(最高出力179kW、排気量2.3L)を搭載する小型SUVだ。
 3800rpmからトルクの太さを実感し、0.08MPaのフルブーストで6800rpmのレブリミットまで一気に回る高回転型エンジン。しかも、「Acura RL(日本名レジェンド)」に続いて4輪の駆動力を制御できる「SH-AWD(Super Handling All-Wheel Drive)」を採用。スポーツカー並みの足回りと相まって高い運動性能を示す。今回の試乗車は価格が3万8000ドル(1ドル116円換算で約441万円)の最上級グレード。プレミアムな小型SUVに分類される。
 北米でのガソリン小売価格は高値で安定しているが、ユーザーたちの間ではさらなる値上がりへの懸念が強く、ビッグ3の稼ぎ頭だった中大型SUVとピックアップトラックの販売は軒並み大幅なマイナスだ。
 これに対し、小型SUVの需要は急拡大している。北米仕様では3.5LのV6エンジンと3列シート車の設定もあるトヨタ自動車の「RAV4」は販売台数が前年の2倍。「正直なところ、日本市場はほとんど意識していない。狙いは北米での小型SUVの最大サイズ」とトヨタ関係者は言い切る。小型SUVの価格帯で中型の市場に食い込む戦略だ。
 初代と2代目のRAV4は「Girly car(女の子のクルマ)」との声が多かった。一方、新型は大型化され、普通のSUVに格上げされた。結果、中高年層のユーザーが男女を問わず急増し、GM社の大型SUV「Chevrolet Suburban」やFord Motor社の中型SUV「Explorer」から買い替えた人も珍しくない。

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ホンダ「Acura RDX」