日経ものづくり 中国的低価格部品選定指南

第8回
消耗品は価格より品質重視
安さのみを求める市場にワナ

中国から調達する部品の中でも,消耗品の品質は特に注意が必要となる。中国市場の顧客が安さばかりを重視して品質を二の次にしがちで,販売店もそれに倣う。中国現地工場で発生した「爆発する電球」がそのことを雄弁に語る。(本誌)

遠藤 健治 海外進出コンサルタント


 製品に使われる部品の中には,消耗品と呼ばれるものがあります。製品本体の寿命とは関係なく,使うにつれてなくなったり,傷付いたりするものであり,電球や電池,インク,トナーのほか,文房具なども含まれます。
 機能や構造的な面で製品を構成する部品はもちろん,こうした消耗品を中国調達する動きが,現在活発になってきています。

品質か低価格かで対立
 それは中国において,あらかじめ予備の消耗品をサービスとして製品に付けるメーカーが増えているからです。まず,「おまけ」が付いているので販売部門が顧客に売りやすい。加えて,すぐに消耗品の寿命が尽きてしまうというクレームを回避することができます。
 ただ,メリットばかりではありません。こうしたサービスがさらにコスト削減のプレッシャーをメーカーにかけることになり,各メーカーが消耗品を中国から安く調達する流れへと移行しているからです。
 確かに,中国製の消耗品は日本製と比べて圧倒的な安さです。例えば,電球形蛍光ランプの場合は,実に日本製の約1/10。電池ではざっと1/2~1/5で購入できます。しかも,品質も日本製の消耗品と変わらないようなものがたくさんあるのです。
 その証拠に,中国製の消耗品は既に多く日本に輸入され,家電量販店や100円ショップなどに行くと大量に販売されています。また,中国製の乾電池などは,日本メーカーの低価格な製品を中心によく同梱されています。例えば,低価格な家電製品のリモコンなどに中国製の乾電池が同梱されていることを見たことがある方も多いことでしょう。

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