日経オートモーティブ 連載

軽く安くする材料・加工技術・第1回

射出成形金型内で
部品の組み立て・成膜

自動車のランプ、ドアミラーを主力とする大嶋電機製作所は、樹脂成形金型内で部品の組み立てや成膜を行う技術を開発、製造コストの大幅な削減に成功した。筆者はこの開発への取り組みなどで「平成17年度現代の名工」に選定されている。(本誌)

大嶋電機製作所
OSI-UMSS開発推進室室長
梅澤 隆男


 自動車部品業界においても、安価な労働力を背景に、生産拠点が海外へと移りつつある。技術力のある大手の競合メーカーと、人件費の低い中国の間に挟まれ、当社のような中堅自動車部品メーカーは、魅力ある商品を低コストで提案できなければ新規受注は先細りになってしまうという状況にあった。そうした厳しい状況の中で「日本に残せるものづくり」を実現したいという思いで開発したのが、金型内で部品を組み立てる「OSI(Oshima original System Injection molding)」と、さらに金型内で部品の成膜まで可能にした「OSI-UMSS(Ultra Molding & Sputtering System)」である。

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図●OSI工法で製造したサイドターンランプ