日経オートモーティブ この会社・この技術

津田工業
樹脂の表面処理極める
レーザ加工で質感高め
レクサスなどに採用

高級車に使われる装飾技術は何も天然素材だけではない。樹脂成形品ながら、優れた機能と高級感を併せ持ち、トヨタ自動車の「レクサス」をはじめとするクルマに搭載されているのが津田工業が表面処理を手掛ける内装部品だ。「表面処理についてはノーといわない」というポリシーを持ち続ける同社は、日々新しい技術に挑戦している。

 日本の自動車産業は、樹脂成形品を利用して低コスト化や軽量化を図りつつ、難燃性や耐久性などを高めながら適用範囲を広げてきた。バブル期以降は、ユーザーの高級志向の高まりとともに、内外装に高い質感が求められるようになり、樹脂成形品の外観品質も高まっていく。
 特にユーザーの目に最も触れるインストルメントパネルやセンターコンソールは高いデザイン性が要求される。昔からの高級車は天然素材を使って高級感を演出しており、これにならい成形品にも本皮調や木目調を付与するケースが多かった。しかし、近ごろは天然素材の模倣だけでなく、“高級感のある人工物”が好まれる傾向にある。
 こうした高級感を実現するには、成形だけでなく後加工の塗装や蒸着などが必要になる。樹脂の表面を処理する“加飾”の技術は、化粧品容器や高級オーディオの分野で先行し、それらが自動車に応用されてきた。その加飾技術のリーダーとして常に最先端の技術に挑戦しているのが埼玉県にある津田工業だ(駆動系部品などを手掛ける愛知県の津田工業とは別会社)。

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図●携帯電話の外装塗装も手掛ける。写真は松下電器産業の携帯電話の例。