日経オートモーティブ 新車レポート

マツダ「アクセラ」
部分改良ながら各部を大幅に強化
ターボ搭載の高性能グレードを追加

 マツダが2006年6月初めに発売した新型「アクセラ」は、部分改良ながら、年間40万台以上を生産するマツダの最量販車種だけに、細部にわたって商品力向上が実施された。直噴ターボエンジン搭載の新グレード「マツダスピードアクセラ」(図)が追加されたのも注目点だ。

 アクセラに搭載されるエンジンは排気量1.5L、2.0L、2.3Lの3種類の直列4気筒だが、今回最も大幅な改良を受けたのは2.0L。連続可変バルブタイミング機構の「S-VT」と電子制御スロットルを新たに採用し、従来の2.0Lエンジンに比べて特に低中速域のトルクを向上させた。2.3Lエンジンも電子制御スロットルを新たに採用した。S-VTは従来からの継続採用。また、2.0Lと2.3Lエンジンは、新開発の電子制御5速自動変速機を新たに組み合わせることで、それぞれ10・15モード燃費を0.4~0.6km/L向上させている。
 一方、1.5Lエンジンでは、4速自動変速機のままで燃費を向上させることに力を注いだ。バルブタイミングの見直しなどで低速トルクを向上させたほか、(1)ピストンリングの張力低減による摩擦抵抗の低減(2)EGRバルブの大容量化、EGRクーラの採用、タンブル・スワール・コントロールバルブの最適な制御により走行性能を悪化させることなくEGR量を増大(3)減速燃料カット時にオルタネータの発電量を増やし、バッテリに減速エネルギを回生することで、加速時の発電負荷を低減――などにより、10・15モード燃費を従来の16.8km/Lから17.4km/L(自動変速機仕様)に向上させた。
 車体の改良では、特に局部剛性の向上に取り組んだ。まずフロント周りでは、ストラットタワーとフェンダーフレームを結合するブラケットを追加、コーナリング時の横力によるタワー部の変形を抑え、ステアリングの応答性を向上させた。またフロア部では、センタートンネルが開くのを防ぐ3本のメンバのうち、最もフロント寄りの1本を左右のサイドフレームまで延長することでコーナリング時の車体の変形を抑えた。

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図●部分改良した「アクセラ」
写真は、追加されたフラッグシップモデルの「マツダスピードアクセラ」