日経オートモーティブ 技術レポート

新型「レクサスLS」のパワートレーン
17年ぶり刷新の新V8エンジン
ハイブリッド車は4輪駆動に

 トヨタ自動車は2006年4月26日、新型「レクサスLS」の国内向けモデル「LS460」「LS600h」「LS600hL」3車種(図)を公表した。これまでハイブリッドモデルはホイールベースが120mm長いロングホイールベース版としていたが、国内仕様では標準ボディも用意することを明らかにした。

 新型LSはパワートレーンとプラットフォームを刷新した。LS460に搭載するエンジンは17年ぶりに新開発した排気量4.6LのV型8気筒「1UR-FSE」エンジンで、出力は約280kW(380PS)と従来の4.3Lエンジンを100PS上回る。変速機には世界初となる8速自動変速機(AT)を採用し、加速性能と燃費を両立した(表)。発売はLS460が2006年9月、ハイブリッド版が2007年春。価格は未定。

ダイカストで製造する新V8
 初代から3代目までのLSや、現行の「GS430」などは「UZ型」と呼ぶV8を使っている。一方、新型はボアピッチこそUZ型と共通だが、新設計のエンジン。最も大きな違いは、シリンダブロックの作り方。UZ型は負圧で下方から砂型の中に溶湯を充てんする吸引鋳造を採用していた。生産性は劣るが、巣のない高品質な鋳造品ができるのが特徴。これを新型では生産性の高いダイカストに切り替えた。
 また、すでに「IS350」や「GS350」のV6エンジンに採用している筒内直接噴射とポート噴射の二つの噴射方式を併用する「D4-S」も採用した。D4-Sは、理論混合比による筒内噴射が基本だが、低速域ではポート噴射に切り替えて燃焼の安定化を図る。

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図●「レクサス LS600hL」