日経オートモーティブ Inside Story

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 トヨタ自動車が世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」を1997年暮れに市場へ送り出してから、2006年は9年目に当たる。この間、既にプリウスは2代目へ世代交代を果たし、ミニバンの「エスティマ」と「アルファード」、続いてSUVの「ハリアー」「クルーガー」へと、トヨタのハイブリッド展開は広がりを見せている。
 そして2006年春。トヨタとしては初めてのFR(前部エンジン・後輪駆動)車専用ハイブリッドシステムを搭載した「レクサスGS450h」が発売された。初代プリウス以来、トヨタのハイブリッド車はいずれもFF(前部エンジン・前輪駆動)車を基本としたもので、その派生システムとして、後輪駆動用モータを持つ電動式4WD(4輪駆動)システムが、エスティマハイブリッド以降展開されてきた。
 厳密にいえば、2001年に発売された「クラウン・マイルドハイブリッド」がFR車として初めてのハイブリッド車であったが、これはハイブリッド車というよりも、機能をアイドリングストップに限定し、補機バッテリの42V化の可能性を探る試験的なクルマだったといえる。トヨタの6気筒エンジンが、直列からV型へ移行するのに合わせて、クラウンのラインアップからマイルドハイブリッドは姿を消した。一時、世界的に採用機運の高まった補機バッテリの42V化も、今日では沈静化したように見える。

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図●レクサスGS450h
レクサスブランドとしても初のハイブリッド車となるだけに、開発には高い目標が掲げられた。