日経ものづくり 中国的低価格部品選定指南

第7回
既に使っているメーカーに聞く
安いプリント回路基板の入手法

中国メーカー製のプリント回路基板を使う日本メーカーが,トラブルに巻き込まれるケースが増えている。その「責任」は,中国メーカーだけでなく,実は日本人の技術者にもある。相手任せにしているだけでは,コスト削減は進まない。(本誌)

遠藤 健治 海外進出コンサルタント


 製品の機能がより高度かつ複雑化していく中で,日本メーカーのプリント回路基板の使用量も増える傾向にあります。当然,それに伴ってコストも増大していきます。こうした背景から,プリント回路基板を中国メーカーから調達し,コスト削減を図ろうとする日本メーカーが増えています。
 インターネットで検索したり,「賽格」と呼ばれる電子部品市場へ足を運んだりすれば,いとも簡単に中国のプリント回路基板メーカーを見つけることができます。そして,プリント回路基板を日本メーカー製から中国メーカー製に置き換えることができれば,初期費用も製品コストも相当下げることができます。
 ところが,コストメリットばかりに目を奪われて,単に中国製のプリント回路基板に置き換えさえすればよいと安易に考える日本メーカーが少なくありません。実際,置き換えた途端に,不良の発生や納期トラブル,仕様の違いなど,さまざまなトラブルに見舞われてしまう日本メーカーが後を絶たないのです。

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