コンデンサは受動部品の中でも非常に多く利用されている品種である。例えば,携帯電話機では数百個,パソコンではマイクロプロセサの周辺だけでも40~50個のコンデンサが搭載されている。最も利用が多いのは,静電容量が0.1μFの積層セラミック・コンデンサ(MLCC)である。従来は小容量の用途に使われていたMLCCだが,体積当たりの容量を増やした結果,最近はより大容量品の利用が進んでいる。現在,静電容量が10μFのコンデンサのうち,約8割をMLCCが占めているとみられる。一方で,導電性高分子コンデンサはインピーダンスを積層セラミック・コンデンサ並みに下げることで,その置き換えを狙う。積層セラミック・コンデンサには印加電圧による容量の減少などの課題があり,これを避けるため他のコンデンサが採用される事例もある。 (宇野 麻由子)