日経ものづくり 詳報

ゲネシス,新種のSRモータを開発
希土類磁石を組み込んでトルクを大きく

アクスルの電動バイク「EV-X7」に搭載

 モータの研究開発や製造を手掛けるゲネシス(本社東京)は,希土類磁石を併用することでトルクを大きくしたSR(Switched Reluctance)モータ「SUMOモータ」を開発,電動車両などを開発するアクスル(本社東京)の電動バイク「EV-X7」に搭載したと発表した(図)。電流を流すことで誘起される磁束に加え,希土類磁石による磁束を使うことで,リラクタンストルクと磁石トルクが作用する。そのため,従来のSRモータよりも大きなトルクが得られる。

突極の先端に磁石を内蔵
 新しいモータはアウタロータ構造。電動バイクにはイン・ホイール・モータとして組み込んだ。減速機を使わないダイレクトドライブ(DD)方式で,アウタロータが電動バイクのホイールとして回転する。
 モータの内側に来るステータは4極・5相構造。つまり,4個の突極を持ち,ある程度厚みのある「十」字形のステータユニットを厚さ方向に5個重ねて,ステータ全体を構成している。ただし,各ステータユニットは,突極をそろえたまま厚さ方向に積層するのではなく,ステータユニットごとに18°ずつずらしながら(スキューしながら)積層させている。そのため,ステータを断面方向から見ると,先頭のステータユニットと5番目に重ねるステータユニットの突極は90°ずれた配置となっている。

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図●アクスルが開発した電動バイク「EV-X7」
ゲネシスが開発したSRモータ「SUMOモータ」を後輪に採用している。