日経ものづくり アイデアコーナー

折り畳み傘 【シューズセレクション】

薄い矩形部品でたたんだ骨を2カ所に集約

 「ポケフラシャトル」は,薄型の3段折り畳み傘。柄となる中央の金属棒(中棒)や,骨を支える樹脂部品の断面形状を矩形にするとともに,畳んだ際に骨が集まる場所を2カ所に集約させることによって薄くなるようにした。
 ケースに収納したときの厚さは約2.5cmで,通常の3段折り畳み傘の約半分となる(図)。幅も4cmと通常の傘よりも小さく,かばんなどに入れて持ち運ぶ際の利便性が良い。
 質量は165gと従来と同程度。6本骨で開いたときの大きさが50cmというのは,従来の同社の3段式折り畳み傘と変わらない。
 骨が集まるロクロと呼ぶ部品と,中棒の形状を矩形にした。一般にロクロには,傘の布(カバー)に張った「親骨」が集まる「上ロクロ」と,開閉の際に中棒に沿ってしゅう動する「下ロクロ」がある。下ロクロには中棒との間で親骨を支える「受け骨」が集まっている。

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図●薄型折り畳み傘「ポケフラシャトル」
折り畳んだときの大きさは,厚さが約2.5cm,幅4cmになる。長さは22cm。


紙パックの目詰まり解消機構
【東芝コンシューママーケティング】

ゴミ吸引のための気圧差を流用

 紙パック式の掃除機において,紙パックの目詰まりを自動で防ぐための機構。紙パックの目が詰まっていくに従い掃除機の吸引力は低下するので,紙パックの容量いっぱいにゴミがたまる前に,紙パックを交換しなければならない。この機構では「チリ落とし板」と呼ぶ機構部品を使って紙パックを“たたく”ことで,紙パックの目詰まりを解消し,吸引力を長持ちさせることができる。
 チリ落とし板は,紙パックを収める空間(紙パック室)の上方と後方にそれぞれ1枚,計2枚あり,電源オフ時は紙パックと接触,電源オン時は待避する構造(図)。つまり,電源をオンからオフに切り替えると,チリ落とし板がそれぞれの方向から紙パックを叩くわけだ。紙パック室の後方にあるチリ落とし板は,上方にあるそれと連動する構造なので,以下では上方にあるチリ落とし板を動かす仕組みについて説明する。これより特に断りのない限り,文中に出てくるチリ落とし板は「上方にあるチリ落とし板」を指すこととする。
 電源オフの状態では,チリ落とし板は図6にある柱状の機構部品を介して,下方に押し付けられるような力を,紙パック室の天井面付近に取り付けられたばねから受けている。

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図●紙パック室の断面図
電源オフの状態。点線で囲った空間に紙パックが収まる。電源オフではチリ落とし板と紙パックが接触しているが,電源オンでは紙パック上方および後方にあるチリ落とし板がそれぞれ矢印の方向に待避する。再び電源オフにした際,チリ落とし板が紙パックをたたく仕組み。