DVDの次の世代を担う光ディスクの再生専用媒体は,ついに規格が分裂したまま市場に投入された。

 東芝は2006年3月31日,世界初のHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を国内で先行発売した。続いて4月上旬には,米国でHD-XA1とその廉価版の「HD-A1」を発売する。さらに,6月にFIFAワールドカップの開催に間に合わせて,2層HD DVD-R対応のHD DVDレコーダーを国内で発売する予定だ。一方でBlu-ray Disc陣営は,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.らが2006年5~6月に,Blu-ray Discプレーヤーを発売する。

 ようやく船出した次世代光ディスクの先行きは決して明るくない。まず,「勝ち組」が決まるまでの間,ユーザーの買い控えが予想される。国内の機器メーカーにとってもう一つの不安のタネは,HD DVDとBlu-ray Discに両対応するプレーヤーが早期に登場する可能性があることだ。