日経ものづくり 詳報

PDFの3次元モデル対応で
軽量3次元データの主導権争いが激化

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 米Adobe Systems社が2006年1月末に発表した「Adobe Acrobat 3D」は,3次元モデルを社内,社外の設計製造関係者にくまなく流通させる方法について検討しているユーザーの強い関心を呼んだ。さまざまな軽量3次元データ形式やビューワが乱立する中,ドキュメントの保存形式としてデ・ファクト・スタンダードとなっているPDFを3次元モデルの流通手段としても使えれば,3次元モデル活用が一気に広がるのではないか―という期待を抱いたからだ。

3種類の方法で取り込む
 Acrobat 3Dで3次元モデルを組み込んだPDFファイルを作成する方法は三つある。最初の二つは,主要3次元CADのネイティブデータや中間ファイル形式など図1左上に示したような3次元データファイルを取り込む方法。Acrobat 3D上に直接取り込むか,「Microsoft Word」「同Excel」「同PowerPoint」のOfficeツールを経由して作成する。
 三つめの方法は,3次元CADなどのアプリケーションで3次元モデルを表示し,その状態でプリント・スクリーン・キーを押す方法だ。この方法に限っては,UNIX上で稼働する3次元CADにも適用できる。元のデータファイルの形式に関係なく使える。
 取り込んだ3次元モデルに対しては形状の変更こそできないものの,付属のAcrobat 3D Toolkitによってある程度の編集が可能だ。アニメーションの作成やライティング,オブジェクトのテクスチャや質感の変更といった機能を持つ。

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