これまで主にNi-MH(ニッケル水素)2次電池が使われてきた
ハイブリッド車用の2次電源が2008年に転換点を迎える。
よりエネルギ密度の高いLiイオン2次電池の搭載が
いよいよ本格化するとみられるからだ。
一方で、繰り返し使用の耐久性が
高いキャパシタも、コストが高いという
難点を克服すべく材料の製造法などの見直しが進んでいる。
トヨタ自動車は、「プリウス」より一クラス上のハイブリッド専用セダンを2008年の春以降にも発売する(図)。ハイブリッド車の販売で年間100万台以上を狙う同社にとって、バリエーション拡大は必須。そのためには、既存車種へのハイブリッド仕様の設定だけでは不十分と判断したようだ。
注目されるのは、この新型セダンにLiイオン2次電池が搭載されるとみられること。Liイオン2次電池は、これまでいすゞ自動車が2005年に発売した「エルフディーゼルハイブリッド」や、日産自動車の燃料電池車に搭載された例はあるが、月産数千台規模の量産車への搭載はこれが初めてだ。
2006年3月から徳島工場に月産1000個レベルのハイブリッド車用の大型Liイオン2次電池のパイロットラインを導入した三洋電機も、2008年の実用化を念頭に置く。相手先は明らかにしないものの「自動車メーカーの戦略にもよるが、当社としては2008年度の量産開始に間に合わせるべく準備を進めている」(同社)という。
Liイオン2次電池の応用が進むのは日本だけではない。伊藤忠商事と米国のLiイオン2次電池開発ベンチャーEner 1社の合弁会社であるエナストラクト社長の小原聡氏は現在、海外の完成車メーカーと交渉中で、やはり「2008年の実用化を目指す」という。トヨタ自動車がNi-MH(ニッケル水素)2次電池を積んだ初代「プリウス」を実用化して10年余りで、2次電源が世代交代を迎えることになる。
図●トヨタは2008年に「プリウス」より上級クラスのハイブリッド専用セダンを発売する
2003年に発売した現行型プリウスは初めて昇圧システムを、2006年に発売した「GS450h」では初めて後輪駆動車にハイブリッドシステムを採用した。2008年の新型セダンはLiイオン2次電池を初めて採用すると見られている。
ハイブリッド車用2次電源 2008年が転換点
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