日経オートモーティブ イベントレポート

76e Salon international de l'automobile de Geneve
広がるオープンカー市場
ハイブリッドも多数出展

2006年2月末に開催された「第76回ジュネーブ・モーターショー」では、欧州ユーザーの好みを反映したオープンカーやスポーティーなコンパクトカーの展示が目立った。技術面では、前年までとは異なり、各社が電気自動車やハイブリッド関連の方針を打ち出した。

 2006年2月末に開催された「第76回ジュネーブ・モーターショー」は、欧州自動車メーカーによるハイブリッド車や電気自動車の出展が目立った(図)。
 欧州らしいオープンカーやスポーティーなクルマの出展も多数あったが、新たな潮流となる電子駆動システムの流れがジュネーブにも押し寄せていることを感じさせた。世界戦略車や新エンジンの公開もあった。
 その一方で、燃料電池車の出展は減っている。昨年はDaimlerChrysler社が出展していたが、同社を含め今回は大手自動車メーカーによる新たな燃料電池車の公開はなかった。

欧州勢に目立つオープンカー

 会場で目立ったのがハードトップやソフトトップのオープンカーだ。「ここ2~3年でオープンカー市場は拡大している。ユーザーの要望があってオープン仕様のコンセプトカーの量産を決めた」(Ford社説明員)。三菱自動車の担当者も「ハードトップのオープンカーを望む人が増えている」という。
 米Ford Motor社は、2ドアで4人乗りのオープンカー「Focus Coupe-Cabriolet」を出展した。「Focus ST」と並ぶ、Focusブランドの上位モデルだ。2004年のパリ・モーターショーで同社が出展した「Focus Vignale」の量産モデルで、ユーザーからの要望が多かったため量産を決めた。
 2006年中頃に量産を開始する計画で、2006年の夏に欧州全域で発売する。年間2万台の生産を見込む。イタリアのPininfarina社と共同開発したもので同社が製造を担当する。
 三菱自動車もPininfarina社と共同で開発した量産モデルのオープンカー「Colt CZC」を出展した。2006年3月からPininfarina社が生産する。
 「オープンカーの中でも特に電動ハードトップ車のニーズが高い。ソフトトップに比べてユーザーが操作しやすいほかデザイン面でも優れている。2003年に発表したコンセプトカー(Colt CZ2)ではソフトトップだったが市場の動向を見てハードトップに改めた」(担当者)としている。
 三菱自動車は2005年のジュネーブショーにハードトップのコンセプトカー「Colt Coupe-Cabriolet」を出展していた。「今回出展したのは量産モデル。基本的なデザインはこれまでと同じだがアンダーボディなどを変更した」(同担当者)。

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図●第76回ジュネーブ・モーターショー
欧州勢によるハイブリッドシステムや新直噴エンジンなどパワートレーンや、トヨタ自動車「Lexus LS460」の安全機能など技術面の出展も多かった。