日経オートモーティブ イベントレポート

2006 North American International Auto Show
GM、トヨタが新ハイブリッド車
ビッグ3はCUVの投入急ぐ

2006年1月に開かれたデトロイトモーターショーで注目を集めたのは、米General Motors(GM)社が発表した2種類のハイブリッド車やトヨタ自動車の「Camry Hybrid」および「LS460」(図)。米国メーカーが提案したレトロ調のコンセプトカーも目立ったが、日本メーカーは対照的に小型車のラインアップ強化に力を入れる。

 2005年の従業員価格でのキャンペーンが象徴するように、販売シェアが低迷する米国メーカーだが、今回のショーではまだその回復に時間がかかりそうとの印象を受けた。プレスカンファレンスの目玉は、ハイブリッド車を除けば歴史的スポーツカー「Chevrolet Camaro」(GM社)や「Dodge Challenger」のコンセプトカー、ことし夏発売予定の「Shelby GT500」(米Ford Motor社)などで、小型で燃費のよい車のラインアップはまだ不十分。日本メーカーが2.0L以下の小型車を次々と投入するのに追いついていけないようだ。

GM社、2モードハイブリッド発表

 昨年のデトロイトショーではGM社とDaimlerChrysler社がハイブリッド技術で提携して話題を呼んだが、今年はGM社から2モードハイブリッド方式を搭載する量産車が発表された。先に前面改良した「Chevrolet Tahoe」のハイブリッド車で、2008年モデルとして2007年から発売する。発売までには1年以上あるが、ブース内での移動時などモータのみで走行している姿が見られ、完成度はかなり高いようだ。
 Tahoeは兄弟車の「GMC Yukon」などとともに「T900」というラダーフレームのプラットフォームを用いている。会場内にはハイブリッドシステムを搭載したアンダーボディやパワートレーンなどが展示されていた。その展示を見ると、エンジンルームにインバータ、2列目シート下にNi-MH(ニッケル水素)電池、変速機内に二つのモータを搭載することがよく分かる。
 ハイブリッド仕様ではない通常のTahoeは2列目シートの下のフロアが3列目シートの下に比べて低くなっている。シートの背もたれを倒して、シートを前側に折りたたむと、荷室に段差はできるものの広大なスペースが現れる。
 一方、ハイブリッド車ではこの部分に300V分の電池を搭載しているため、シートをたたむとその下の床はほぼ3列目シートの下とフラットになる。電池を搭載する分床が上がっているため最大積載時の荷室容量は減っている。電池はトヨタ自動車の「プリウス」と同じくパナソニックEVエナジー製を採用した。

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図●デトロイト・モーターショー
会場となったCobo Center。最も派手なパフォーマンスは、Jeepの新型「Wrangler」の発表。会場から出た車がガラス戸を突き破り、向かいのホテルに設けた斜面を上った。