日経オートモーティブ 新車レポート

Toyota ESTIMA/Mazda MPV
くつろげる2列目シートがウリ
低い車高で運動性能高める

上級ミニバンの代表選手、
トヨタ自動車の「エスティマ」とマツダの「MPV」(図)。
くつろげる2列目シートをウリにする両車だが、
パッケージング、プラットフォーム、パワートレーンと
その実現方法はそれぞれ異なる。
新型ミニバンにおける両社の狙いを紹介しよう。


 2006年に入って1月にトヨタ自動車「エスティマ」、2月にマツダ「MPV」。互いに競合関係にある上級ミニバンが相次いでデビューした。エスティマは発売後1カ月で目標販売台数7000台の4倍近い2万6000台を受注、またMPVも目標の1.8倍である5500台を受注し、ともに好調な出だしとなっている。
 どちらもホイールベースを国産ミニバンで最も長い2950mmまで拡大したほか、使用頻度の高い2列目の居住性を改善するためにリクライニング機構やオットマンなどの快適装備を充実させているのが特徴だ。

3.5Lのエスティマ、ターボのMPV
 車体で特に目立つのは、車高を下げて低床化することで乗り降りをしやすくするとともに、運動性能も高めている点だ。エスティマでは車高を40mm下げた1730mm、MPVでは60mm下げた1685mmである。低く幅広いデザインを実現し、見た目のスポーティーさを演出するとともに、低重心化することでロール量の少ないきびきびとした走りを実現した。
 組み合わせるパワートレーンはエスティマが2.4L の「2AZ-FE」+CVT(無段変速機)および3.5Lの「2GR-FE」+新開発6速AT(自動変速機)、MPVが2.3Lの「L3-VE」+4速ATおよび2.3L直噴ターボの「L3 -VDT」+新開発の6速AT。エスティマが大排気量の自然吸気エンジンを用意するのに対し、MPVは従来のV6に代えて直4ターボとした点が大きな違いだ。

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図●トヨタの新型「エスティマ」(上)とマツダの新型「MPV」
上級ミニバンとして、ともに2列目シートの快適さをウリにする。