日経オートモーティブ 技術レポート

レクサス「GS450h」
トヨタ初の後輪駆動用ハイブリッド
システムを変速機サイズに納める

 トヨタ自動車は2006年3月、後輪駆動車としては同社初のハイブリッド車「GS450h」(図)を発売した。新開発の後輪駆動用ハイブリッドシステムを採用することにより、排気量3.5Lのエンジンで4.5L並みの動力性能と、2.0L並みの燃費を実現した。

「走っているときの高い動力性能と、停止したときの静かさのコントラストを際立たせることができた。ハイブリッドはレクサスにこそふさわしいシステムだ」。GS450hの開発責任者である商品開発本部レクサスセンターチーフエンジニアの三吉茂俊氏はこう語る。
 GS450hに搭載されたハイブリッドシステムは、GS350に搭載されている排気量3.5L・V型6気筒の「2GR-FSE」エンジンにモータを組み合わせたもの。エンジンとモータを合わせたシステムとしての最高出力は254kWでGS350の232kW、GS430の206kWをしのぐ。システムとしての最大トルクは公表されていないが、発進加速や追い越し加速でもGS430をしのぐ性能を示すという。
 一方でGS450hの10・15モード燃費は14.2km/Lと、同社の排気量2.0Lクラスのセダン「プレミオ」並み。GS350の10.0km/Lに対して42%、GS430の9.1km/Lに対しては56%向上させている。

日経オートモーティブ 技術レポート
図●レクサス「GS450h」 通常のGSとの外観上の違いは、専用のアルミホイールと「GS450h」というバッジくらい。