「料金を気にせず,モバイル端末で音楽や映像といった大容量コンテンツをどんどんダウンロードして利用することを可能にするような,安価なデータ通信サービスに向けた技術として注目している」(KDDI 技術開発本部 ワイヤレスブロードバンド開発部 無線システム開発グループリーダー 次長の要海敏和氏)——。

 あたかも家庭やオフィスのパソコンでADSLを利用するように,屋外を移動中に携帯機器で高速のインターネット接続を楽しむ。そんな利用の仕方を実現できる移動体通信技術として「モバイルWiMAX」に大きな注目が集まっている。

 モバイルWiMAXは,5M~20MHzの帯域幅を利用することで,回線が空いている場合には最大データ伝送速度が75Mビット/秒,実効的にも10M~20Mビット/秒と無線LAN並みの高速性が得られる。携帯電話のような広域サービスが可能なほか,時速120kmと高速で移動中でも,数Mビット/秒で通信を続けられる。