日経ものづくり 詳報

日産自動車,次期CADは
継続性を重視し「NX」に決定

CATIAユーザーのRenault社との協力にも支障なしと判断

 日産自動車は,次の標準CADシステムとして米UGS社の「NX」を採用することを決めた。日産自動車はこれまで「I-deas」(UGS社)を利用している半面,親会社の仏Renault社が「CATIA」(仏Dassault Systemes社)を使っていることから,次期CADの選定については注目が集まっていた。NXは「Unigraphics」(UGS社)と,旧Strucural Dynamic Research社(SDRC)が開発したI-deasとを統合した後継版であり,日産自動車はI-deas上にこれまで構築してきたさまざまなシステムを継続,発展できることを重視し,決定した。
 市販のCADをそのまま使うのでは競合との差別化ができないという考え方に基づき,日産自動車はさまざまな業務を処理するアプリケーション・システムをI-deas上に構築してきた(図)。例えば「部品を原寸に近い縮尺で画面表示する機能」「番線を表示することで部品の位置が簡単に把握できる機能」「パイプ形状の新規作成,形状変更を行う機能」といった機能を作り込んでいる。

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図●日産自動車が現在用いているCADの画面
ベースはI-deasだが,独自にさまざまな機能を加えている。